朝寝坊はダメだって思ったばかりなのに。
眠気には逆らえなくて。

目を閉じていると、だんだんと意識が遠のいていき───


「んっ…」

次に目が覚めると、瀬野が嬉しそうに目を細めて私をじっと見つめていた。


「おはよう、川上さん」

その時にはもう彼は私に触れていなくて。
どうやら二度寝してしまったようだ。


「今何時…」

慌てて起き上がりスマホの時計を確認すると、私は目を見開いた。


「じゅ、11時…!?」

なんとあれから4時間ほど寝てしまったらしく、時刻は11時を過ぎていた。


「スヤスヤ気持ちよさそうに寝ていたよ?
川上さんも疲れていたんだね、かわいかったなぁ」

「…っ!?」


私に続いて瀬野も起き上がる。
相変わらず嬉しそうに笑っているから気味が悪い。


「は、早く起きるよ…!
今日は瀬野の家に行くんだから」

「えっ、どうして?嫌だよ」


まさかの即答で拒否される。
それほどに嫌なのだろう。