「じゃないと男を家にあげないよね、ごめん変なこと聞いて」
「いや、気にしないで?」
ううん、大丈夫。
今も申し訳なさそうにしてる瀬野が手を出すような悪い男に見えない。
そのため私は彼を家にあげ、部屋まで案内した。
「結構広いんだね」
「そうなの。広々と使えるんだ」
今現在は冬であるため、暖房をつけて茶系のカーペットの上に座ってもらう。
「何か飲む?」
「……いや、気を遣わなくて大丈夫だよ。ありがとう」
彼はお礼だけいうと、素直にその場に座った。
変な感じ。
自分を作らなくていいはずのこの空間に、瀬野という人物がいることが不思議でたまらない。
「よしっ、じゃあここで待ってて」
とりあえず着替えてご飯を作ろうと思い、立ち上がったけれど。



