これで明日からはまたいつも通り───
いや、いつも通りに戻れるのだろうか。
明日から冬休みに突入する。
つまり瀬野はどうなるの?
今日泊めたところで、瀬野はまた…あの望まない日常に戻る?
「……やめよ」
お風呂に入りながら、余計なことは考えるなと自分に言い聞かせるけれど。
どうしても私は瀬野という存在が気にかかってしまうようだ。
「瀬野って冬休みの間も女の人の家に泊まらせてもらうの?」
そのためお風呂から上がった第一声がこれだった。
突然の質問に最初、戸惑いの色を見せた瀬野はすぐ答えてくれた。
「まあ、その予定かな」
「ずっとそういうことするの?」
「さすがにそれは無理だよ、体がもたない。日中は相手を抱きしめながらのんびりテレビでも観たり、たまにふたりで出かけたり。恋人っぽく過ごせば大抵の人は満足してくれるからね。
それに族の集まりもあるから常にってわけじゃないよ」
「それでも夜はヤルんでしょ?」
「……やけに聞いてくるね。もしかして、興味あるの?」
慌てて首を横に振る。
ただ瀬野の実態を知りたかっただけである。
「だろうね、そもそも慣れてないし」
「そういう話じゃなくて…本当は嫌なんでしょ?」
「まあ正直疲れるけど、家に帰ったりひとりで過ごすよりかは全然マシかな」
それでも私なら耐えられない。
のんびり過ごせる夜が瀬野にはあるのだろうか。



