部屋の鍵を回して扉を開ける。

中は外と同じように冷え込んでいたけれど、室内のためまだマシだろう。


瀬野が家に上がるのは3回目だけれど、正直まだ慣れない。



「この間と同じ格好しかないけどそれでいい?」
「あ、うん…ごめんね、服まで借りて」

「別にこれぐらいは平気」


一泊分だけなのだ。
正直、これぐらいでは洗濯物の量など変わらない。


この間同様、先にお風呂に入ってもらう。
瀬野がお風呂に入っている間に私は家事を済ませる。


また瀬野と夜を過ごす日が来るとは。

これはあくまで瀬野が可哀想と思っただけであり、一応先ほど助けてくれたお礼だということにする。


とはいえ瀬野はわざと私を巻き込んだのだろうが。


ひとりは嫌だとか弱音を吐いておきながら、喧嘩になるとあんなにも強いだなんて。

本当に瀬野という男がイマイチわからない。


「お風呂、ありがとう」


家事をしながら考え事をしている間に、瀬野がお風呂から上がったようで。

少し湿った髪がどこか色っぽく感じる。


「じゃあ髪、乾かしといて。
私はお風呂入ってくるから」


今度は瀬野と入れ替わるように私がお風呂に入る。
もう夜も遅いため前回同様、何事もなく終わりそうだ。