「じゃあ私たちも飾り付け手伝おっか」
「あ、うん…!何からやろう」


真意を確かめる前に、沙彩と一緒にクリスマスの飾り付けを手伝うことにした。

そこまでは良かったのだけれど───


「瀬野!ツリーの飾り付け、愛佳も入れてあげて!」
「……え、沙彩…」


嫌な予感がしたのは、沙彩が私を瀬野の元へと連れてきたからだ。

瀬野は他の男子と一緒にツリーの飾り付けをしていた。


「手伝ってくれるの?
人手が足りて無かったから嬉しい、ありがとう」


爽やかな笑みを浮かべる瀬野を見て、イラッとしてしまうのは仕方がないことだ。

そもそも人手が足りてないと言っておきながら、3人もいるではないか。


「じゃ、じゃあ沙彩も一緒に…」

「私はあっちで星の風船膨らませてくる!
リースも飾らないとね!」


満面の笑みを浮かべた沙彩は悲しいことに、私を置いて別の場所へと行ってしまった。

ふざけるな、と心の中で呟く。


「川上さん」
「…っ」

すぐそばにいる瀬野に名前を呼ばれる。
久しぶりの感覚に、ドキッとしてしまう自分がいた。


「わ、私は何をしたらいいかな?」

「このオーナメントを全部飾らないといけなくて…結構量があるんだ」


テーブルの上に置かれた段ボールの中には、まだ結構な数のオーナメントが入っている。