一本煙草を煙にしてから海は再び歩き出した。

香菜の墓の前で立ち止まり、その名前をじっと見つめる。

海は持ってきた花の用意を始めた。

毎年香菜の命日には香菜が好きだった花を持ってくる海。

色も香菜が好きだったピンクや黄色の物。


年に一度、必ず香菜に今でも贈る花束は海の想いが込められている。


花を手向けて、お墓をきれいにして、線香に火をつけ手をあわせる。