『嫌いな花は?』

『椿です』

『どうして?』

『私に・・・似合わないからです・・・』

『ふーん・・・』

面接のときのやり取りを椿は思い出す。
「似合ってんじゃん。その名前。」
海は椿にそう言って、花飾りを持ち車へ積みに向かった。

その後ろ姿を見ながら椿はもう一度自分のネームに触れる。
まるで今のままでいい。と海が言ってくれているような気がして椿はうれしかった。