ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

口にしてから椿が慌ててうつむくと海が少し微笑んでもう一度天井を見た。

「俺が亡くなった妻と結婚式挙げた場所なんだ。」
「・・・」
「ここに良く来るけど、思い出すよなー。やっぱり。」
笑って切なさをごまかそうとする海。
「すみません・・・私・・・すみません・・・」
自分がどうして悲しい思い出を余計に思い出すような質問をしてしまったのだろうかと椿が後悔していつも以上に下を向くと海が椿の頭を撫でた。

「そんな顔すんなよ。別に気にすんな。ただ懐かしいって思ってるだけだ。ほら。行くぞ。」
海はそう言ってもう一度事務所へ向かった。

必要な確認事項を確認してから、二人はEternalへ戻る。

その帰り道、椿は何も話さなかった。
海も何も話さない。
沈黙のまま二人は店に戻った。