ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

「寒くないか?」
車の中、海がエアコンを調整しながら椿に話しかける。
「大丈夫です。」
車内はエアコンがかなり利いていて涼しい。
椿の返事にも、海は自分のパーカーを椿に渡した。
「嘘つきだな」
本当は直接あたるエアコンに少し寒さを感じていた椿。でも後部座席の凌駕が暑いといけないと我慢しようとしていた。
「ありがとうございます」
椿は海にかりたパーカーを膝にかけた。

ふんわりと海のいつも使っている香水の匂いがした。

「椿ちゃん、水着持ってきたの?」
「・・・はい」
「楽しみ!」
凌駕が無邪気にはしゃぐのを見て椿は再びうつむきながら笑った。