「今日の椿ちゃんの格好、かわいいね」
凌駕は椿をよく見ている。そして遠慮せずに思ったことを口に出して椿の気持ちをフォローしてくれる。椿は凌駕の言葉にほっとしたり、不安を拭ってもらうことが増えていると感じていた。
「朝、選ぶのに時間がかかりました・・・かなり」
「そうなの？」
「はい・・・」
悩みに悩んで椿が選んだのは黒のロングワンピースに白のTシャツ。スニーカー。
やっぱりモノトーンの服装が一番落ち着く。せめてもワンピースにしてよかったと思ったのは、パンツ姿だと海とペアルックになっていたからだ。
「なんか・・・リンクコーデってやつみたいじゃん」
凌駕がふと海の方を見る。
ふたりともモノトーンでまとめた服装。

椿も実は少し感じていた。
「俺は意識したわけじゃないぞ」
話を聞いていた海がそう言って買い物かごを持ち、すたすたと店内に入って行った。

「ぶっきらぼうだけど、店長も張り切ってるよ。あれは」
凌駕が椿の耳元でささやく。