ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

母からの安定した愛情はもらえなくても、一番好きだった人との子供である自分のもとに母は必ず帰ってきてくれる。

そう信じられた。

だからこそ、大人になってもいつまでも母を許し、母のことをあきらめられない原因でもある。

『椿の花ってきれいよね。何にも染まらないはっきりとした色。』
自分をほめてもらっているようで椿はうれしかった。
『私はいろんな色が混ざって汚い色に汚れちゃったけど、椿はきれいなままで咲いていてほしいな・・・』


あの時に見た椿が今、目の前で咲いている。

日本国内で一番大きく古い椿の木。

椿はその木の下に寝転がった。