「やっぱり電話しようかな」
凌駕が携帯を出す。

海はそれを止めない。
海も、椿が心配で連絡したい気持ちはやまやまだった。

「どう思います?」
凌駕が手を止めて海の方を見る。
「・・・別に。お前の自由だ。」
本当は今すぐ連絡しろと言いたいのをこらえて海がそっけない返事で返す。
すると凌駕は少し笑ってから海の方に近づいた。
「本当に店長は素直じゃないな。」
「あ?」
「本当はすぐ連絡しろって言いたいんでしょ?わかってますよ」
凌駕には海の気持ちは最近すぐばれてしまう。
「そんなことない」
海はごまかすように目をそらす。
「素直じゃないな~」
ふざけて顔を覗き込もうとする凌駕。