不器用に笑いながらも椿もそんな海と凌駕の気持ちにこたえていた。

そんなある日、椿が休みを申し出た。

『体調、悪いのか？』
海が椿の申し出に心配して聞くと椿は首を横に振った。
『・・・そっか』
聞きたくても休みの理由を聞くことができない海。
『ちゃんと・・・前に進みたいから・・・そのための時間をいただきたいんです』
椿は聞くに聞けないでいる海にそう伝えた。

海は仕方なく首を縦に振るしかなかった。
『休んでる間も、何かあればいつでも店に来い。連絡だっていい。』
心配のあまりそう口にした海に椿は不器用に微笑んでこたえた。

凌駕が手にしているのは椿が休みに入る前に店に残していった花の紹介カード。
この店に椿が来てから、椿が作る担当になっていたポップだ。

「なんでこんな夏の花まで・・・」