「目が覚めたら、店長と凌駕さんがいてくださって。本当にうれしかったんです。」
少し微笑む椿。
久しぶりのその表情に二人は少し安心する。
「だから、何かしたくて・・・迷惑かけたから・・・」

椿の言葉に凌駕が椿の方に近づいた。
「うれしい。おいしかったよ。ごはん。ありがとうね。」
椿に言う凌駕。
椿は目の前で自分の顔を覗き込む凌駕の方に視線を向けた。

近い距離で見つめ合うことは椿はかなり苦手だ。
それでも顔をあげて凌駕の目を見る。
「けが・・・」
細い腕を凌駕の怪我している頭の方へ近付ける椿。
「ごめんなさい」
少し潤んだ瞳で言う椿に凌駕が優しく微笑む。
そして凌駕は首を横に振った。