「あ・・・」
「ん?」
凌駕が何かを思い出したように顔をあげた。
「そういえば何日か前に帰り道、椿ちゃんと同じ方向だったんですよ。」
「・・・」
「その時にサラリーマン風の人にしつこく言い寄られてて、俺が助け舟出そうとしたら、そこに女の人が来て、男と女の人は椿ちゃんから離れてどっか行ったんですよね。」
「女の人って?母親くらいの年齢?」
「はい」
凌駕の言葉に海はすぐに作業を中止した。

一日の配達予定を確認する。
幸い、予約は入っていない。

海はすぐに椿の履歴書を探した。
「どうしたんすか?」
「ちょっと行ってくる。」
「え?店長だけですか?俺も心配してんのに。」
凌駕の言葉に海は凌駕を見た。