「最近は不整脈も喘息も落ち着いてますよ。
不整脈もそこまで重くありませんし。」
雪那がそう言うと春来おじ様は苦笑した。
「油断大敵だよ雪那ちゃん。」
「ふふ、はぁい。」
そんな春来おじ様に雪那はふわりと笑った。
「うん、ついでだから院長室まで来る?そろそろ
また定期検診の予定入れとかないと佐那くんに
怒られるよ。」
「うっ、確かに。」
月に一度、定期検診を受けている雪那。
だが残念ながら雪那は病院が苦手。
病院というか、注射や点滴、血液検査などが
大の苦手。
というのも雪那は血管が細い。
かつて入院していた病院では雪那は医者泣かせの
血管だと言われた。
医者泣かせの血管とはその名の通り。
細すぎて血管が見つけられず点滴などをすると
必ず失敗して雪那は血だらけになるのだ。
幼少の頃からそんな痛い経験をしているので
病院が嫌いになってしまった。

