「もうちょっとで救急車来るがら頑張ろう。


行きつけの病院とかあるかな?」


答えられない女の子。


言雪那はごめんねと呟きながら女の子が持ってい


た鞄をあさった。


財布を取り出して保険証と診察書も取り出す。


それと同時に救急車も来た。


「大丈夫ですか!?」


そう言って駆けつけてくる救急隊員



「兼城 由奈ちゃん 17さい心臓発作です。


行きつけの病院は斎木総合病院です。」


「わかりました!お連れ様ですか?」


「いえ、」


「すみません、一緒に乗っていただけますか?」


そう言われて雪那は頷いて由奈ちゃんと一緒に


救急車に乗り込んだ。


着いたのは斎木総合病院。


救命医たちが待っていた。


「兼城 由奈ちゃ16歳 心臓発作です。」


救急隊員がそう言って由奈ちゃんを引き渡した。


処置室に運ばれて行く由奈ちゃんを見送って


雪那は溜め息を吐いた。


その時。


「ん?雪那ちゃん?」


背後から名前を呼ばれて振り向いた。


「あ、春来おじ様。」


「え、ゆきちゃん、何してるんだ?」


ポカンとしている春来おじ様に雪那は笑った。


「さっき運ばれてきた患者さん救急車呼んだの


私なの。」


「!あぁだからか。ビックリしたよ。まさか


発作を起こしたのかと思った。」


心配そうに言う春来おじ様。