舞と愛も、リラックスできる音楽やお茶を教えてくれた。友達が心配してくれることに、姫は申し訳なさを感じながらも嬉しくなる。しかし、すぐに優と美紅の姿にムッとしてしまうのだ。

そして、姫が優と話さなくなってから数日。何も進展はない。どちらからも動かないのだ。

モヤモヤしながら友達と話していた姫は、スマホにラインが送られていることに気付く。それは優からだった。恐る恐るラインを開く。

「これ……」

優が送ってきたのは、言葉ではなく画像だった。ガーベラの写真だ。

花言葉に意味があるとすぐに姫は調べてみる。そして、顔を上げた。

ガーベラの花言葉は、「希望」「常に前進」。姫が前を向くと同時に優と目が合う。そして、優が優しく微笑んだ。姫は全てを察する。

過去から逃げることはできない。だからこそ、その過去と向き合わなければならない。その一歩を優は踏み出してほしいのだ。姫の心に、温かいものがあふれ出す。