「えー、見せてよー!」
「ふふ、機会があったらね」
2人と話しているところを、瑠衣は何も言わずにじっと見ていた。
瑠衣だけが何も聞いてこないことに少しほっとしている自分がいる。
…こいつらを巻き込みたくないし。
「この後はどうするの?」
「目を引くもんがあんまねぇからそろそろ解散しようって話してた」
「りょーかい。じゃあ、帰るね」
手を振って唯斗たちが来た方向とは逆の方に進む。
後ろから声がかかった。
「…誠、車乗ってけ」
「え?なんで?」
「…お前、顔色悪いぞ」
「え…そんなことないと思うけど…」
普通なんだけど…。
でも、3人の方を向けば、唯斗も理人も心配そうな顔をしていた。
瑠衣もパッと見はいつもと変わらないけど、その言葉が出るってことは心配してくれてるんだろうな。
…今日はお言葉に甘えようか。
「……お願い、してもいい?」
「うん!」
「ゆっくりしてけ」
徐に瑠衣はポケットから携帯を取りだして耳に当てた。
電話をかけてるんだろうけど、なぜか一言も話さずに電話を切った。
えぇ…それで通じるのか…。
