「…お前、どこのやつだ?」
「…………」
「聞いてるか?どこのやつか聞いてるんだが」
「…キーワードだけでもいいですか?」
「分かればそれでいい」
ひとつ、深呼吸をしてから。
「…"ヘビ"、です」
「…………そうか」
「…なるべく誰にも言わないでいただけると助かります」
「当たり前だ。"そこ"に関しては漏らしたら俺が殺される」
その言葉に少し胸が傷んだ。
このペンダントを持っていたということはこの人も巻き込まれた側だってことは何も聞かなくてもわかること。
ただ、巻き込んだ原因は自分にあることを俺もこの人も分かってる。
…巻き込まれたら、二度と部外者になることは出来ないんだ。
「巻き込んでしまってすみません。…また、いつか会えたら」
「…ああ。会えることを願ってる」
深くお辞儀をして、店を出た。
店から遠く離れるまで背中に視線を感じていた。
