「瑠衣、理人! 誠捕まえてきたよ! 今日の効果後何も予定ないって!」

「おい唯斗」


明るい唯斗の声に返事をしたのは瑠衣だった。


いつものだるそうな感じで発言してるんじゃなくて、はっきりと、低い声で唯斗の名前を呼んだ。

理人は少し険しそうな顔をしてこっちを見てた。



…二人は気づいてたのか。



その声にびくっとした唯斗は言い淀んでから返事をした。


「な、なに突然そんな怖い顔して…」

「お前、跳ね返ったドアが誠の腕に当たったのに気づいてないのか」

「えっ」


うそ、とこちらを振り返る少し青い顔に、へらっと笑ってみせる。


「大丈夫だよ、なんともない」

「だっだよね! 気づいてなくてごめんね…」

「大丈夫だから、顔上げてよ」