「誠ー!今日放課後って用事あったりする?」
「今日の放課後? 確か何もなかったと思うけど」
数学の授業が終わってもうおなじみとなった屋上で駄弁っていた。
突然思い出したように聞く唯斗に疑問が浮かぶ。
何か用でもあるの?
とスマホでスケジュール帳を開いて、予定がないことを確認する。
唯斗は俺の返事を聞いて、わかりやすくパァッと顔を輝かせた。
…後ろにしっぽが見えるなぁ。
「ずっと忘れてたんだけど、ボウリングのワンゲーム無料券が今日までで…三人で行こうって話してたんだけど、理人の財布にも同じ券のあまりが一枚だけ残ってたらしくて」
「それで誠に聞いてみようって話になったんだ」
