嘘の仮面





「でもでも、どうやってその場面に遭遇させるの?難しくない?」

「…別に、一緒に行動してりゃいつかは狙われる」



それに、と瑠衣は言葉を続ける。



「…あいつ、たぶん女嫌いだから、どっちにしろ俺たちのそばにいることになるだろ」




…女嫌い?あいつが?


女子に優しい態度だったが、あれは女嫌いから来る行動だったのかと考える。


流石の観察眼だ。




「…だから、とりあえずさりげなく女から守ってりゃいい」



そうすれば自然と一緒に行動するようになる。

そう言って缶ジュースを飲み干した。





喧嘩じゃなく、勧誘のための長期戦。


こんなことやったことないが、瑠衣が断言するならうまくいくだろうと心の中で片づけた。



倉庫行くぞと立ち上がった瑠衣の後に続いて俺と唯斗は屋上を後にした。






…待ってろ、誠。お前を絶対希光に入れてやるからな。




〔理人 side end〕