嘘の仮面





「…要は、無理やりじゃなく自分から入る理由をきちんと作ればいい」

「どうやって……」

「例えば」



..
偶然、喧嘩に巻きこまれて一緒に戦わざるを得ない状況とかな。





そう告げた瑠衣の顔は、とんでもなく悪い顔をしていた。



…瑠衣も諦めてはなかった。


それがわかって少し面白くなった。




出会って早々総長をこんな顔をさせるなんて、とんでもねぇ奴だな、あいつは。



「面白そうだな、それ」




どれだけ待たないといけないかわからないが、そんな長期戦はなかなかないから普通に楽しみだ。




俺もいま悪い顔してるんだろうなっていうのがわかる。


だって、瑠衣の言葉を聞いた途端唯斗の顔も愉しそうな顔になったから。