「…そこまで言うなら、別に無理強いはしない」
「瑠衣!?」
「え?助かるけど…いいの?」
「…あぁ、別に、問題ない」
ここで静観していた瑠衣からのお言葉。
みんな俺を入れることに必死に(瑠衣は必死にはなってなかったけど)なっていたのに、急な意見の変化に瑠衣以外はその言葉を咄嗟に把握できなかった。
…何か企んでそうな気もするけれど、引いてくれるなら何でもいい。
「…じゃあお言葉に甘えてお断りさせてもらうね」
メロンパンの最後の一口を口に含んでからその場から立つ。
特に三人とも絡む気はなかったからここにいる必要もないし。
「じゃあ俺はそろそろ教室に戻るよ。朝は助けてくれてありがとう」
何か言いたげな顔をしている唯斗と理人を横目で見ながら、俺はその場を後にした。
俺は知らない。
俺がいなくなった屋上で、あんな会話をしていたことなんて。
