フェンスにもたれながら缶ジュースを飲む瑠衣は一限終わって屋上に来てから一言も言葉を発してない。
ほんとに何考えてんのかわからん奴だ。
「でもね、俺ほんとに暴走族に入る気ないの」
だから誘ってくれるのはありがたいけど、辞退するね。
そう、何か違う空気を纏って言葉にしてみる。
するとまぁ、案の定唯斗と理人は気まずそうな顔をする。
…ほんとにいい意味で分かりやすいな。
その点瑠衣は真逆で、多少眉を動かしただけでほとんど表情に変化がない。
しかも興味なさそうにしてはいるけれど、こちらの話に耳を傾けているのがわかる。
…総長やるのにぴったりな人材だよね。
