嘘の仮面





冒頭のセリフで今さっき屋上に来たって言った風に聞こえるけど、それは違う。


普通に一限終わってすぐここでさぼってた。




理人が言うには、基本的に数学とテストさえ受けてれば進級できるんだって。


大丈夫かこの学校。





「そうそう、それでさっきの話の続きだけどさ」




急に、何の前振りもなく話題をぶっこんでくる唯斗。




ちょっと普通に心臓に悪いからやめてほしいな。


まあいいんだけど。






「さっきの話の続き?」



すっとぼけてみる。


だって別にそんなに希光に入りたいってわけじゃないし。




「何とぼけたふりしてんだ。お前を希光に入れるって話だよ」




ばれてーら。



というか正直暴走族には今入りたくないんだよね。




「うわぁ、とぼけてたのばれてた」

「わかりやすくとぼけてただろ今のは」

「あは」

わざとらしく肩をすくめて、購買で買ったメロンパンを頬張る。