嘘の仮面






「…校舎の案内をしていて、時間通りに戻ってこれなかった」


「は?何を──」

「……なるほどな、助かる」





…瑠衣は俺が言ったことの意味がすぐに分かったみたいだ。


その後に理人もわかったみたいで、顔に笑みを浮かべている。



唯斗は…えっと、わかんないからって喚き散らしてる。うるさい。






「だから、言い訳ね。俺が校舎を案内してって言ったから授業開始時間に間に合わなかった。…OK?」




この説明でやっとわかったみたいで、すっきりした顔でお礼を言ってくる。


わかったみたいで何よりだ。





「じゃ、誠のお言葉に甘えてお叱り覚悟で向かいますか」




めんどくさい顔を隠そうともしないで理人は歩き出す。


残った俺たちも理人の後に続いて屋上を後にした。