「──引いた、か?」 「引く? 何に??」 この返答は正解だったみたいで。 三人とも緊張が解けたみたいに大きく息を吐いた。 …媚びられるか怖がられるか、みんなと同じだと思ったのかな。 俺はそんなヘマしない。 「暴走族には入ってないけど、俺だって喧嘩はするしねぇ…」 少し目線を外し遠いどこかを見つめる。 これで彼らには俺も闇を抱えていることがわかるはず。 案の定、小さく息をのんだ。