冷たくしないで、


自虐してたら

「新入生の皆さん〜体育館に入場してください」

と、校内放送が流れた。

「じゃー廊下に出よっか、皆。」

近い距離か大きな声じゃないと聞こえないほどザワザワしてる中、耳に届いたこの声。

私の大好きな大好きな人の声。

取り囲んでいる女の子達にそう言ったはるくんは、廊下に移動するために椅子から立ち上がった。

身長が175㎝はあるはるくんは、周りの女の子達よりはるかに高く、真ん中だけぼこっと頭が出ていた。

久しぶりに近くで見た好きな人の顔に私は、目が離せなかった。

熱い視線を送っていたのか、はるくんがこちらを振り返って、目が合ってしまった。

でも、嫌そうな顔をしてすぐに逸らされてしまった。

ま、まぁ、嫌われてるから当然だよね。嫌いな人となんか目、合わせたくないよね。そ、だよね。