高校に近づくにつれ騒がしくなる中、私はある人に目が釘付けだった。
だって、だって、いるんだもん。あの人が。
同じ高校受けたんだ。嬉しい。どうしよう。
今度こそ昔みたいに、兄妹みたいに戻りたい。
「さきぃいいいいやばいんだけど!どーしよう。やばい、泣きそう。」
「ん?どーした?大丈夫かー?」
「大丈夫じゃないよ。ほんとにやばいの。とにかく、ほんとに!」
「分かったって。やばいのは分かったから。で、どーした?」
「あ、ごめん。えっと、あの人があそこにい、いるの。」
「え、あの人?あの人ってあいつ?」
「そう!あいつ!」
「へぇーあいつもこの高校受けてたんだ。」
「ほんとにね…」
なんでこの高校受けたんだろう。私の事嫌いなのに。いや、私の事嫌いだからって私と同じ高校受けないってことにはならないよね。
その人にはその人の人生や夢があるんだから。別に、私が嫌いだからって理由で受けないわけはないよね。
