雨の滴と恋の雫とエトセトラ

「ねぇ、頑張れ、頑張れって、特に人に応援してもらうともっとやる気がでると思わないかい?」

「うん、そうだよね。応援されると嬉しいもんね」

「じゃあ、真由、僕に頑張れって言ってみてくれない」

 拓登は懇願な眼差しを向けた。

 何かの験担ぎなのかと思ったが、拓登が真剣だったのでとりあえずリズミカルに言ってみた。

「ガンバレ! ガンバレ! 拓登。これでいい?」

「うん、もうちょっと感情込めて」

「えっ? 感情? だったら、拓登ぉ~、頑張ってぇぇ~」

 演歌歌手のようにコブシを作って力を込めてみた。

 これでいいのかと拓登を見ると、拓登はそれに反応するわけじゃなく私の様子をじっと伺っていた。

「もしかして、ダメだった?」

「ううん、そんなことない。ただ……」

「ただ、どうしたの?」