雨の滴と恋の雫とエトセトラ

「そうよ、羨ましいから訊いているのよ。ちょっと、一体どんな事があったのか全部白状しなさい」

 かの子は自分の感情をそのまま出すが、自分自身も認めているところがはっきりしていて潔い。

 結局はそれぞれの役割があって、私を含めたこの4人のグループは上手くいっている。

 その中で私の役割というのは何かと訊かれたら、自分ではわからないけど、この三人からは好かれていることは確かだった。

「わかった。全部話す。でも学校ではちょっと言い難い」

 私の話を聞きたいと耳を傾けている女子が何人か周りにいた。

 その影に男子もいて、興味なさそうな顔をしながら耳に入ってきたら聞いてやろうという態度だった。

「じゃあさ、放課後、ちょっと寄り道して帰ろう。落ち着いた、いい店知ってるんだ。皆にも紹介したい」

 千佳が何気に提案した。

「あっ、それいいね」

 控えめなみのりも賛成している。

「よし、決まり。この話の続きは放課後ってことだね。覚悟しとけよ、真由。私は全てを訊くぞ」

 かの子は嬉しそうに含み笑いをしていた。

 高校一年生になって、女子たちが一番話題にしたいのは、異性の話であり、ましてやカッコイイ人気の男子と接点のある女子が自分のグループにいるのは、興味を鷲づかみにしてしまうらしい。

 それくらいの情報を提供するくらいどうってこともないし、喜んでくれるのなら私も話の中心人物になれてやっぱり気持ちのいい事だった。

 これが女子高生らしい日常だと自分でも思っていたくらいだった。

 かの子、千佳、みのりもこの学校に来るだけあって、勉強は一生懸命する人たちで、その分物分りもいい。

 お互いライバルでもあり、助け合う仲間でもある。

 まだ知り合って間もないけど、すでに意気投合したものがあって、私も結局はこの三人が好きだった。