雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 山之内君はすでにアイドルとなって学年では人気があるから、そんな人に声を掛けられて優越感が発生したのかもしれない。

 自分もミーハーだと思うと、ふっとため息が出てくる。

 でも山之内君を見るとなんだか、ピピピと感じるものがあるというのか、私の好みってことなのかもしれない。

 私は、気を取り直して、空を見上げた。

 そこには薄っすらと消え行きそうな七色の光が浮かんでいた。

 住宅の屋根が密集していて、それが視界の障害となって、全てが奇麗に見られなかったが、虹が顔を出してくれたお陰で、幾分かそれに励まされ、前向きに考えてみる。

 池谷君とは近所だけど、学校が違うからそう会う事もないはず。

 無視すればいいだけ。

 高校生活は始まったばかりなのだから、こんなことで負けてはいられないと、私はさっさと歩き出した。

 家に入る前にもう一度、虹を見ようとしたが、密集して立っている建物が邪魔で、虹が出ている空は見えなくなっていた。

 その代わり、電線にはたくさんの雫がついていて、それがぽたりと落ちたのが見えた。