雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 車通りの激しい道にさしかかり、そこに出ると前方に駅が見えてくる。

 同じ制服を着た沢山の生徒が色とりどりの傘を差しながら、駅をめがけて歩いていた。

 私達もその中の二人だが、友達同士で楽しく帰っている人たちとは何かが違っているように思えた。

 どこかよそよそしいというのか、意識しすぎて肩の力が抜けずにこわばっている。

 でもそれは私だけだった。

 山之内君は余裕タップリにリラックスしていた。

「倉持さんって、出会ったときとなんかが違うね。傘貸してくれたときはすごく積極的だった風に思えたけど」

「あの時は、その、雨が降ってたから……」

 自分でも間抜けな答えだと思っていたが、上手く言えないであたふたしてしまう。

 山之内君はそれを楽しむような笑いを私に向けた。