雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 山之内君の反応が返ってくる間、傘から垂れる雨の滴が静かに滴っていくのを見ていた。

 ドキドキとぽたぽたが同じリズムのような気がしてくる。

「それじゃ好きな科目は何?」

「英語…… かな」

「英語か。僕も好きな方かな。いつか一緒に勉強しようか」

「えっ、あっ、はい」

 健全で高校生らしい会話ではあるが、一緒に勉強するなんて果たしてできるのだろうか。

 一緒に肩を並べて帰るだけでも息するのも必死というくらいなのに。

 また暫く会話がなくなって歩いていた。