雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 そういえば、部活の事を聞いたときもフットボールと所々アメリカを匂わすような単語が出ていた。

 それから色々と思い当たる事がでてくる。

 名前の呼び捨ての時も日本の習慣を強調してたこと、英語が好きで一緒に勉強しようと誘ってくれたこと、読書が苦手なこと、流行に疎 いといっていたこと、さっきの映画で感じたことも、今となっては海外生活があったから、なぜそうなるのか辻褄が合うように思えた。

 でも言われなければ全く分からなかった。

 それを瑛太はすぐに感じ取って疑問に思って、直接本人に問い質したということなのだろうか。

 それにしても瑛太の慧眼には参る。

「別に内緒にしておくつもりはなかったんだけど、わざわざ言うのも嫌だったんだ。僕は多分帰国子女枠で高校に入学できた口だと思うんだ。だからあまりそれを人に知られたくなかったし、普通に過ごすには別に関係ないかなって思ってたんだ」

 そこで私ははっとした。

「それで、内緒にしておくために瑛太に口止めみたいにしてたから、弱みを握られてたって訳なのね」

「いや、それは」

 拓登が否定しようとするが、瑛太は堂々とニタついて「ご明察」と憎たらしくいった。

 強く瑛太を拒否できなかった理由がこれだった。

 しかし、瑛太が英語を話したことがもっと気になる。

「まさか、瑛太も帰国子女?」

「バカか! 俺は小中学校と真由と同じだっただろうが。いつ海外に出れたんだよ」

「あっ、そうだった。だって、いきなり英語話すからさ」

「それくらい言えるってんだよ。あのな、俺も親のエゴで小さい時に英語習わされてたの。公文とか通ってさ、中学上がる前にはもうすでに英検4級とってたの。そんで中学で準二級まで取ったの」

「嘘! なんで瑛太が準二級もってるのよ。悔しい」

 それが本音だった。