雨の滴と恋の雫とエトセトラ


「雨の日って傘を持たないといけないから、荷物が増えたみたいで不便だよね。僕は傘持つのあまり好きじゃないんだ」

「でも、持たないと濡れちゃいますよ」

「傘を持つくらいなら濡れた方がいいって思うところがあるかも」

「山之内君って変わってるんですね」

「変わってるっていったら、倉持さんの方が変わってるよ。同じ年なのに敬語で僕に話しかけるなんて。もっと砕けて欲しいな。僕、敬語苦手なんだ。もしかして、倉持さんって国語得意?」

「あの、その、国語は好き…… ですけど、えっとその、母国語だからまだ勉強しやすい感じ……」

 なんだか話しづらくなってしまい、『です』をつけるかつけないかで葛藤しては、変な喋り方になってしまった。

 でも最後は『です』をつけるのをやめた。

 これでいいのだろうか。

 山之内君の顔がまともにみられない。