雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 学校に着いて、自分の教室に向かうとき、堂々と一組の教室を見る事ができた。

 開いてるドアから中を覗けば、拓登が友達と話している様子がチラッと目に入った。

 その時、拓登も私の様子に気がついたようだった。

「おはよう」

 堂々と私は手を振って挨拶をした。

 拓登はすぐに私の側に寄ってくる。

「おはよう。なんか今日は雰囲気が違うね」

「そうかな。今までが違っただけかも。これが本来の私かな」

「どうしたんだい、急に?」

「うーん、なんていうんだろう。ちょっと今まで気取りすぎてたかも」

「そんなことないけど、でも、急にそんなこと言うなんて何かあったのかい?」

「昨日あれから瑛太と話してて、ちょっと色々と気がついた事があって、それで吹っ切れたかな」

「えっ? どういうこと?」

「話せば長いんだけど、話しても個人的なことだからやっぱり話しにくい」

「もしかして瑛太がなんかしたの?」

 拓登は急に落ち着きをなくして目を見開いていた。

「何もしてないけど、瑛太が嘘ついてたというのだけはわかった」

「嘘?」

「うん、小学生の時のキスの話。あれ犯人は瑛太じゃなかった」

「えっ? それじゃ誰だったの?」

「それはまだ聞き出せなかったんだけど、嘘ということは認めた」

「でもなんでそんな嘘ついたんだろう」

「私もそれはわからないんだけど、でも瑛太なりにまだ何か隠してる事があるんだと思う。私はそれを追及しようと思って今調べてるところ」

「へぇ、面白そうだね。過去の話の真相を突き止めるか。真実がわかった時、真由はどうするの?」

「それはわかった時に考える」

「だけど、どうやって調べるつもりだい? 名探偵さん」

 拓登も興味をもったのか、面白そうにしていた。