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次の日、やはり朝は駅に着くとキョロキョロと辺りを確認してしまう。
拓登と瑛太の事を常に気にするようになってしまった。
でも、もし二人をこの時見ても、自分からは近づけそうにはなかった。
瑛太に邪魔宣言をされ、かといって拓登と私の関係は一体なんなんだろうと首を傾げてしまう。
拓登は私に興味をもっているとは思うのだけど、何かが普通と違う。
私はすでに拓登に心が傾いているのに、拓登はどこかで境界線を引いて私との距離を保っては、私が拓登の思う女性じゃなければ困るように感じている部分がある。
それは拓登があまりにもかっこよすぎてもてるから、どこかで気軽に寄ってくる女性を恐れているのだろうか。
私が拓登の思うような女性じゃなければ、拓登は愛想を尽かす可能性がある──。
電車に揺られながら、混み合った周りの人間が目に入らないほどに、そのことばかりを自分の世界の中でもんもんと考えていた。
途中、停車駅で更に人が乗り込んで、私はもっと奥にやられていく。
その時周りを見れば、座席に座って寝ている人、またはスマホを弄っていたり、音楽を聴いていたり、本や新聞を読んでいる人たちが目に入った。
私のようにぼーっとして考え込んでいる人もいるが、目線が定まらず覇気がない姿はあまり人に見られたくないものに思えた。
突然はっとして、ふと気をとられている事が勿体無いように思えてしまう。
何を二人に振り回されなければならないのだろうか。
拓登に気に入られたいとビクビクしながらいるのも、好きになった弱みを握られているのが支配力のようで私はなんだか嫌になってきた。
私は昔から自分らしさを押し殺してまで、気を遣ったり、我慢したりするのが嫌である。
たまに、気が強いとか言われるのは自分の意見をしっかり持って反論できるからだと自分で思っていた。
意地悪だからだとか、女王様のように我がままだとか、そういう気が強いではないとはっきりといいきれる。
誰にも支配されずに自分はいつでも自由なんだと思っているだけである。
自分を守りたいために、人の態度を気にして本来の自分を見失うなんて真っ平だと強く思っていた。
それに気がついた時、例え、拓登の思うような女性でなく、拓登が愛想尽きようと私はもうどうでもよくなってしまった。
そしたらそれはもう仕方がない。
上手く行かなければ、私はあっさりとそれを切り捨てて前に進む。
ウジウジしたり、自分の中だけで気持ちを膨らませて考え込むのが一番嫌いだった。
かっこいい拓登に声を掛けられて有頂天になってしまったことに、自分を見失っていたと気がついた。
瑛太が絡んでこなかったら、私は拓登との事できっと守りの体制になってまさに自分を防守することになっていたかもしれない。
なんだか急に肩の力が抜けた。
次の日、やはり朝は駅に着くとキョロキョロと辺りを確認してしまう。
拓登と瑛太の事を常に気にするようになってしまった。
でも、もし二人をこの時見ても、自分からは近づけそうにはなかった。
瑛太に邪魔宣言をされ、かといって拓登と私の関係は一体なんなんだろうと首を傾げてしまう。
拓登は私に興味をもっているとは思うのだけど、何かが普通と違う。
私はすでに拓登に心が傾いているのに、拓登はどこかで境界線を引いて私との距離を保っては、私が拓登の思う女性じゃなければ困るように感じている部分がある。
それは拓登があまりにもかっこよすぎてもてるから、どこかで気軽に寄ってくる女性を恐れているのだろうか。
私が拓登の思うような女性じゃなければ、拓登は愛想を尽かす可能性がある──。
電車に揺られながら、混み合った周りの人間が目に入らないほどに、そのことばかりを自分の世界の中でもんもんと考えていた。
途中、停車駅で更に人が乗り込んで、私はもっと奥にやられていく。
その時周りを見れば、座席に座って寝ている人、またはスマホを弄っていたり、音楽を聴いていたり、本や新聞を読んでいる人たちが目に入った。
私のようにぼーっとして考え込んでいる人もいるが、目線が定まらず覇気がない姿はあまり人に見られたくないものに思えた。
突然はっとして、ふと気をとられている事が勿体無いように思えてしまう。
何を二人に振り回されなければならないのだろうか。
拓登に気に入られたいとビクビクしながらいるのも、好きになった弱みを握られているのが支配力のようで私はなんだか嫌になってきた。
私は昔から自分らしさを押し殺してまで、気を遣ったり、我慢したりするのが嫌である。
たまに、気が強いとか言われるのは自分の意見をしっかり持って反論できるからだと自分で思っていた。
意地悪だからだとか、女王様のように我がままだとか、そういう気が強いではないとはっきりといいきれる。
誰にも支配されずに自分はいつでも自由なんだと思っているだけである。
自分を守りたいために、人の態度を気にして本来の自分を見失うなんて真っ平だと強く思っていた。
それに気がついた時、例え、拓登の思うような女性でなく、拓登が愛想尽きようと私はもうどうでもよくなってしまった。
そしたらそれはもう仕方がない。
上手く行かなければ、私はあっさりとそれを切り捨てて前に進む。
ウジウジしたり、自分の中だけで気持ちを膨らませて考え込むのが一番嫌いだった。
かっこいい拓登に声を掛けられて有頂天になってしまったことに、自分を見失っていたと気がついた。
瑛太が絡んでこなかったら、私は拓登との事できっと守りの体制になってまさに自分を防守することになっていたかもしれない。
なんだか急に肩の力が抜けた。



