雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 萌とは中学では仲が良かったが、学校が違うとやはりどこかで距離ができてしまい少し寂しいが、こうやって連絡は取れるので、これからも縁は切れない関係でいられそうだった。

 電話を切った後、ふーっと息が漏れたのは、新たな情報を整理しようと息をついたからだった。

 だけど、まさか瑛太が私と同じ高校を目指していたとは驚きだった。

 明彦が瑛太をかばっていたことも、英検二級の対策本を買っていたことも、これで腑に落ちた。

 瑛太が妙に学歴コンプレックスを抱いていると思っていたが、それは自分が行きたかった所にいけなかったからだった。

 それなのに私は瑛太のそんな事情も知らずに、瑛太の見かけと、自分と違う高校というだけで瑛太を見下していた。

 そして女嫌いの瑛太が私に声を掛けてきたことも混乱する。

 瑛太の事を知れば知るほど、瑛太の事が益々分からなくなってきた。