雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 でも皆が山之内君の事をカッコイイと囃し立てるから、私もなんだか急に興味をもってしまったのは事実だった。

 羨望の眼差しと、納得いかないきつい目つきの中、私は鞄を持って教室を去った。

 廊下に出ても、他のクラスの女の子がこそこそと話しては私を見ていた。

 全然知らない女の子達にまで変な目で見られて、私は居心地が悪くなった。

 一体なんでこんなことになったのだろう。

 とにかく、山之内君としっかりと話さないといけない。

 それによって、今後私は学校に通えなくなるかもしれない危機感を抱いていた。
 

 隣のクラスなので、一組と二組の下駄箱は近かった。

 山之内君はすでに靴に履き替えて、外の雨の様子を見ていた。

 私もさっさと靴を履き替えているとき、山之内君は振り返った。