しかし、あれから日数は経ってるけど、一度しか会ってないのに、この馴れ馴れしさはなんだろうか。

「それじゃ、下駄箱で待ってるから」

 山之内君は先に行ってしまった。

 彼が見えなくなったあとで、友達がわらわらと近寄って私に根掘り葉掘りきいてくる。

 それは好奇心と嫉妬と罵倒もはいってるような修羅場な感じだったかもしれない。

 私としても何が起こってるかわからないだけに、答えようもないのだけれど。

「ちょっと、真由、あんた山之内君と付き合ってるの?」

「付き合ってないって」

「じゃあ、なんであんなに親しく真由を誘ってるのよ」

 みんなの目つきが怖い。

「だから、私もわからないのよ」

「いいな、真由」

 自分でも訳が分かってないのに、そんな風に言われても困る。