「そうそう、おめでとう。2位キープだね」
「ありがとう。定位置キープです。と、言っても1位との差はだいぶあるけどね」

1位はいつも、同一人物。
鹿瀬拓也。
必死なこっちには目もくれずいつも定位置。

「でも、営業あんなに嫌がってたのに、すごいよね」
「やるからにはね。今でも嫌だよ。靴はすり減るし、毎日お酒飲むのもあんまり好きじゃないし」
「程々にね」
「日付変わる前にはお家に帰ってます」
「あんまり、親友の嫌な噂話聞きたくないし」
「ありがとう」

営業部は花形部署。
営業部に辞令が出たとき、その時配属されていた総務部の面々に期待されて出てきた。
頑張るのは期待を裏切りたくないから。

綾香は、配属されて2年目に2位になった。
もちろん、やっかみも多く、枕営業をしてるという噂も立てられてる。

それを遥は心配してるのだ。

事実無根だけど、否定して回るのも肯定しているみたいで変だし、そのうち消えるだろう。