「・・・」

また、やってしまったらしい。
見慣れない寝室の見慣れないベッド。
思い当たるこの部屋の主は1人。
逃げたい。
幸い服はしわくちゃだけど着ている。

「おはようございます。」

お邪魔しました。と、言いかけて味噌のいい香りに言葉を止める。

「タオル適当に使って良いから顔洗ってこい」

洗面所を探し徘徊する。
ドアがたくさん。
あたりをつけてドアを回すが、2つ目の寝室。
2つ目のドアは、書斎。
何部屋あるんだ。
3つ目で目的の洗面所を見つけ、無造作に置かれた女性用の洗顔セット。
クールそうに見えてマメなのね。

「洗面所お借りしました」

手伝えと言われ、食器を運ぶ。