「もちろん。……食べていい?」

織里奈が頷き、俺はチョコレートを一口食べる。好きな人が作ってくれたチョコは、どんなショコラティエの作ったものよりおいしい。甘くて、世界一特別なチョコだ。

「味、どうかな?味見するの忘れちゃって」

心配そうに言う織里奈を見て、俺はあることを思いつく。チョコレートも甘いけど、もっと甘いものを知っているから。

「食べるか?」

俺がそう言うと、「本当!?やった〜」と織里奈ははしゃぐ。チョコレートが本当に好きなんだな。ちょっと嫉妬したくなる。

俺はチョコレートを織里奈の口にではなく、自分の口の中に入れる。織里奈が「えっ?」と首を傾げている間に、素早く唇を重ねた。

「んんっ……!!」

何度も激しく唇を重ねる。真っ赤な顔をする織里奈も、チョコを食べたばかりの唇も、何もかもが甘い。

「甘いキス、どうだった?」

俺が唇を離してニヤリと笑うと、「外でしないでって言ってるのに!」と真っ赤な顔で織里奈が言った。