君という名の広い空



その交渉に賛成するつもりは無かった。

どうせ、無理だろう。
もう、今さら頑張ろうだなんて思わなかった。
昨日、交渉したばかりなのにもう諦めている。
…まぁ、しょうがないな。

そういえば、あたしは最近優也とすごく仲が良い。冬休みに、塾で隣の席になって学校でも同じ班だから、以前にも増して、仲良くなった。

それに、色々お世話になっている。
相談にのってもらったり、あたしの苦手な数学を教えてもらったり…。

昨日も、結那の事で相談にのってもらった。


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ザアァァァ───…
『やっぱ、ここは気持ちいいなぁ。』

いつもの様に、秘密の扉を開け、屋上でのんびりと空を見上げていた。
この季節に屋上は寒いけど、コートとマフラーと手袋をあらかじめしていたから大丈夫。



また空を見上げ、目を細めて広く、青い空に癒されていた。

すると、“ギィー…”とあの扉が開く音がしたんだ。
『…ここ久し振りに来たな。ん?優!』

そこには、幸せそーに微笑んで、次は子供の様に笑っている優也がいた。