すぐに、結那の靴箱に行き、校舎内にいるか確認して、勢い良く階段を駆け上がった。
1組…いない。
2組…いない。
じゃあ…!
ガラッ────…
そこには結那が1人、春哉の席に座っていた。
「あれ?優、そんなに怖い顔してどうしたの?」
『結那でしょう?あたしの靴に画ビョウ入れたの。」
しばらく沈黙が続いた。
すると、結那が口を開いた。
「そうって言ったら?」
結那は誇ったように微笑んだ。
イラッ───…
その仕草に無性に腹が立ったあたしは、結那に言ってやった。
『結那がした事全部春哉にバラすよ。』
すると、また誇ったように、結那が言った。
「どーぞっ♪」
なっ…。
どーぞ?
こいつ、頭おかしいんじゃない?
あんたは春哉に嫌われてもいいの!?
『春哉に嫌われてもいいの?』
「うん。だって、もし、春クンがあたしを嫌ったとしても春クンはあたしの傍にいてくれるから♪」
どこからそんな自信が湧いてくるのだろう。
開いた口が塞がらないってこういう事か。
そんな事を考えていると、結那が“交渉をしよう”と言ってきた。
…交渉?

