雪の降る日

「うん」

こくんと頷く。梨々奈や誉と一緒にいるのは楽しい。

上機嫌の梨々奈に引っ張られて、校舎を出た。

「──あ」

誉が呟いた。

彼女の方を見ると、顔を仰向けている。

首を傾げつつ同じように空を見ると、頬に冷たいものが触れた。

「──あ」

誉とまったく同じように呟いて、春花は手のひらを差し出す。

一片、雪が舞い落ちて、溶けた。