服のシワなんて普段気にしないのに、今日はやけに気にしてしまう。



今、私は高さが24メートルもあるクリスマスツリーの下にいる。



そして待ち合わせ時間の5分前から手を擦り合わせながら蓮くんが来るのを今か今かとソワソワしながら心待ちにしている。



そして、心が弾んでいるからか、今日はひときわ世界が違って見えるのは私だけだろうか。



しばらくすると、少し遠くの方にいる蓮くんの姿を私は見つけた。



私よりもぐんと背が高いから、すぐに見つけやすい。



人混みをかき分けながら段々と近づいてくる蓮くんに私は蓮くんの名前を呼んで大きく手を振った。



「だから、大声で俺の名前を呼ぶなって……──」



「私、背が低いから、分かりにくいかなぁと思って……。それに、それに……、大好きなんだから、しょうがないじゃん!」



おでこを軽くツンと指で弾かれた。



「俺の方が背が高いから、そんな心配をしなくても直ぐに見つけられる。それにしても、人が多いなあ……」



「……多いねえ」



「こんなところで、迷子にでもなられたら困るから。しっかりと手つなぐぞ──」



「手、……繋いでいいの?」



嬉しいのやら、恥ずかしいのやら、もぞもぞと迷っている私の手。



本当に繋いで良いのかなあ……、ドキドキしてなんだか緊張する。



「ほらっ!」と蓮くんの方から手を差し出してしっかりと手を繋いでくれた。



本当に好きだなあ、こういう蓮くんの優しいところ。



私の想像以上にしっかりと強く手を握ってくれている。



ずっと、こうしていたい──。